百色の未来相談会を開催することになった背景には、
それまでそれぞれの支援者が直面してきた、相談のもどかしさがいくつかありました。

 

その①もっと知ってほしい

百色の未来相談会が始まる以前、それまでも日々様々な相談がありました。そしてそのうちのいくつかは、もっと早くに相談していたら選択肢はもっと多かったかもしれないと思われるものでした。しかし、相談を受ける支援者から「困っていることを相談してほしい」と伝え、アピールする場は限られていました。

当事者自身が判断して実際に物事を選択し行動に移していくことが何よりも大切なことではありますが、「相談する」という選択肢の存在自体があまりにも知られていないのではないか、というもどかしさがありました。

 

 

その②もっと次につなげたい

これまでは、それぞれの支援者が個別で相談を受けることがほとんどでした。支援活動の空き時間にあわせて日時と場所を決め、いざ相談をした結果、より方向性の合致した別の支援者を紹介することがあります。

これもやはり百人いれば百通りの悩みがあるので、話しをしてみるまでどのような支援が適しているかは様々です。このとき一番ネックになるのは、次の相談をするために多くの手間がかかることです。あらかじめ「来月はこの日とこの日、この支援者が相談スタッフとして待機しています」という状況が必要だと考えました。

 

 

その③もっとその後が知りたい

不登校、行きしぶりの問題がおきる年齢は、少し前までは小学校高学年からと言われていました。最近では小学校の低学年から、学生生活で困難を抱える児童の数が増えていると言われています。また、ひきこもりの状況でいる人の年齢範囲が2018年、39歳から64歳まで引き上げられました。

生きづらさを抱えているといわれる年代は実際はより早く訪れ、より長く続くこともあります。年齢に関わらず、いつでも困ることはあります。相談をするトータルの年代の範囲も広がったと考えられます。生きるうえでの様々なタイミングで起こる様々な人生の岐路に対して、継続して相談ができる環境をつくることが必要です。